恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
「リリーステラ様はまだお若い。冬も厳しい地方で苦労をされるよりも、よりよい縁談があるかと」

 本心を隠し通すんだ。
 リリーステラ様にはきっと、私よりも相応しいご令息がいると、心にないことを繰り返し胸の内で呟いた。

 深いため息が聞こえた。

「わかった」
「──旦那様!?」
「アルフレッドの気持ちは分かった。義父と相談し、リリーステラに相応しい者を探そう」
「ありがとうございます」

 静かに頭を下げると、夫人が声を上げた。

「お待ちください、旦那様! リリーは、とても傷ついています。今、あの子に必要なのはアルフレッドで」
「それもわかっている。……アルフレッド、一つ尋ねてもいいか?」
「なんでございましょう」
「リリーステラが、どうしてもお前について行くといったら、その手を振り解けるか?」

 ロスリーヴ侯爵の質問に即答できなかった。
 それはつまり、リリーステラ様が私を選ぶということか。そんな夢物語があるわけもない。
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