座敷牢令嬢は今日も謎を解く
ギュッと握りしめられた筆の先がぎゅうぎゅう半紙に押し付けられているから見ているだけでハラハラしてきた。
「あ、あのトミ? 筆先が……」
「できあがるまで黙っていてください!」
トミのどなり声に言葉が引っ込む。

すごい集中力だ。
ガッガッと音が聞こえてくるような大胆な動き。
体全体で描いているから額には汗が滲んできていた。

それが半紙の上にもポタポタと落ちてくる。
トミにこれほどの集中力が合ったとは思わず、心臓がドキドキしてきた。
一体どれほどの作品ができあがるだろうかと思っていた矢先「できました!」と、トミが大きな声を上げて筆を持ったままの右手で額の汗を拭った。
< 67 / 206 >

この作品をシェア

pagetop