座敷牢令嬢は今日も謎を解く
ここへ来て開口一番に『大変だったんですからね!』から始まり、ほっかむりで一生懸命顔を隠したことや秀雄が外出するのをこっそり確認し、キヨに言われた通り部屋に侵入したときのことを話続けている。
「それは大変だったわね」

キヨはトミが持ってきてくれた怪文書を読みながら適当に相槌を打っている。
トミへの礼ならさっきから何度も伝えているし、このまままともに話を聞いていれは日が暮れてしまうと思ったからだった。

怪文書の文字は想像通りミミズが這ったような文字だった。
こういう文章を書くときにまともに書いたのでは、誰が書いたのか調べられやすいからだ。
それにしても汚い字だけれど。
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