座敷牢令嬢は今日も謎を解く
トミは格子戸の向こうで膝をつき、頭を下げた状態で小さく震えていた。
ここで否定したらトミに危害が向かってしまう。
「トミは嘘はついていません。確かに、そのようなことを言いました」
「それでは早く犯人を教えろ!」

初めて自分の妻と対面したとは思えない態度。
キヨへ対する愛情など小指の先ほどもないことが伺える。
「わかりました。でもこれはあくまで私個人の見解です。犯人が必ずその人とは限りません」

「まどろっこしいことはいい」
なにを言ってもちゃんと聞き入れてはくれなさそうだ。
キヨは諦めて怪文書を手に取り秀雄へ見せた。
「これがここに届いた怪文書で間違いないでしょうか?」
「あぁ。間違いない」
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