座敷牢令嬢は今日も謎を解く
「ここが少しかすれているのがわかりますか?」
秀雄にもわかりやすいように、菅原料亭の文字を指差す。
「見ればわかる」
ムッとした顔つきを崩すこと無く返事をする秀雄。

これでは使用人たちもやりにくくて仕方ないことだろう。
「ここは指でこすってしまった箇所です。その証拠が、ここに」
怪文書を裏返して指紋を見せる。

「これは、犯人の指紋か!?」
さすが、ちゃんと勉強してきた人だ。
使用人たちはなんのことかまだわかっていない様子だけれど、秀雄はすぐにピンときていた。
「そうです。指紋は誰ともかぶることのない自分を示すための模様。生まれたときから死ぬまで、その模様が変わることはありません」
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