忘却の蝶は夜に恋う
元気いっぱいなイスカとセバスチャンに見送られ、ノクスは家を出た。ほんの少しでも走ろうものなら、朝食が全て出てきてしまいそうなくらい、今のノクスの身体は不調だ。
ノクスは目に被さるくらいまでフードを引き下げ、重い足を動かし続けた。
やっとの思いで皇城の前に到着すると、城門前で騎士たちが騒いでいた。その中から見知った人物を見つけたノクスは、フードを下ろして近づいていった。
「──宰相、デューク卿」
ノクスの声で、二人の男が振り返る。先に反応したのは騎士であるデューク卿──アスラン・デュークだ。
アスランはノクスの姿を捉えると、ほんの少しだけ目元を和らげた。
「ノクス。いいところに来たな」
はあ、とノクスは気のない返事をする。アスランの隣にいる宰相──ノクスの直属の上司である宰相のエヴァン・セネリオは焦げ茶色の髪をくしゃりと掻くと、困ったように眉尻を下げた。
「いいところと言えばいいところですけどねぇ」
エヴァンはポリポリと頬を掻く。その視線を追った先には、十数名の騎士に囲まれている一人の少女の姿があった。
「私を誰だとお思いなの!? そこを退きなさい!」
「……あのご令嬢は?」
ノクスの問いに、エヴァンは肩を落としながら答える。
ノクスは目に被さるくらいまでフードを引き下げ、重い足を動かし続けた。
やっとの思いで皇城の前に到着すると、城門前で騎士たちが騒いでいた。その中から見知った人物を見つけたノクスは、フードを下ろして近づいていった。
「──宰相、デューク卿」
ノクスの声で、二人の男が振り返る。先に反応したのは騎士であるデューク卿──アスラン・デュークだ。
アスランはノクスの姿を捉えると、ほんの少しだけ目元を和らげた。
「ノクス。いいところに来たな」
はあ、とノクスは気のない返事をする。アスランの隣にいる宰相──ノクスの直属の上司である宰相のエヴァン・セネリオは焦げ茶色の髪をくしゃりと掻くと、困ったように眉尻を下げた。
「いいところと言えばいいところですけどねぇ」
エヴァンはポリポリと頬を掻く。その視線を追った先には、十数名の騎士に囲まれている一人の少女の姿があった。
「私を誰だとお思いなの!? そこを退きなさい!」
「……あのご令嬢は?」
ノクスの問いに、エヴァンは肩を落としながら答える。