兄の結婚式で久しぶりに会った初恋の人と0日婚ということでお願いします
1番のドアを開けると個室になっていた。
「初めまして狩谷と申します」
名刺をいただくとこのヘアサロンのCEOと書かれてあった。
どうぞと席に促されて香穂理は座ると
「希望の髪型はありますか?」と聞かれた。
「あの…パーティーなのでよくわからないんです、どういうのが普通なんでしょうか?」
「廉の会社のパーティーだよね?服を先に見ようかな」
「あっ、はい」
香穂理は廉さんに買ってもらったドレスとアクセサリーを出して見せた。
「ピンクか…でも結構体のラインはある方か、年齢は若いのかな?大人っぽい顔立ちだけど」
「21歳です」
肩から袖まではシースルーで細かな花が散りばめられている。
「このドレスって廉が選んだの?」
「あっ、二人で買いに行きましたけど廉さんがピンク系が良いって言ってたので…」
「へぇ、廉がね(笑)小澤さんは廉の彼女?」
「違いますけど…」
「…そっか、まあでも廉が女性のヘアセットを頼んできたのは初めてだからね」
「そうなんですか?」
「うん、この前仕事終わりに本人はカットに来たけど小澤さんの予約はもう少し前から聞いていて、どんな人だろうとワクワクしてた(笑)」
「お任せします」
「じゃあ任せてください(笑)」
狩谷さんは双子の弟さんがいて、元々は廉さんと大学時代のお友達だそうでこのヘアサロンに通うようになったと話してくれた。
この個室には廉も入った事がないんだよと…今日は着替えがあるから個室を使っている事も知ったのだ。
ヘアセットとメイクも終わり狩谷さんは1度部屋から出て、香穂理は個室内のパーテーションの中で着替えを済ませ、鏡の前に立つと
「私?よね」
ツケマも成人式以来だし、大人可愛い?
ノックがあり、狩谷さんが入ってきた。
「うん、可愛いね」
「凄く素敵にしてくれてありがとうございます!」
「気に入ったかな?」
「はい!とっても(笑)ありがとうございました」
狩谷さんはタクシーを呼んでくれていて見送ってくれた。
タクシーから香穂理は何度も頭を下げたのだった。