兄の結婚式で久しぶりに会った初恋の人と0日婚ということでお願いします
そろそろ行こうかと廉は立ち上がり、香穂理は廉の少し後ろを歩いた。
廉さんが歩いていく方向には先ほど挨拶をしていた社長と色留袖を着た廉さんのお母様であろう御方の姿が見えた。
「お、廉、そちらのお嬢さんはどなたかな?」
「紹介します、小澤香穂理さんです」
廉さんが後ろを向いたので香穂理は頭を下げ
「初めまして、小澤香穂理です」と挨拶をした。
「初めまして、廉の父です、そして、妻の葉子(ようこ)だ」
香穂理はお母様の方にも再び頭を下げた。
「廉がお世話になってます、小澤さんて…」
母親は廉を見た。
「うん、達矢の妹だよ、母さん」
「まあ、お母様はお元気かしら」
「はい!元気です」
「廉がいつも言ってたの、可愛い妹がいるんだって」
「ち、ちょっと止めてくれよ、恥ずかしいだろ」
廉を見ると真っ赤な顔をしていた。
「そうなの?廉さん(笑)」
「……まぁ…くっそ恥ず…」
「最初は大人しくお見合いでもするかと思ってたら急に会って欲しい人がいるとか言い出すから、なあ、母さん」
「そうよ、本当に…あっ、達矢くんの結婚おめでとう」
「ありがとうございます」
「来年から香穂理ちゃんと一緒に住もうと思ってこれから手続きとかするから」
「あら、東京にいるの?」
「はい、私は勉強のために上京してます」
「何のお勉強?」
「言ってもいいの?」と一応廉さんに小声で確認した。
廉さんが頷いてくれたので香穂理は話した。
「一級建築士を取得してみんなが楽しめる場所を作る事です」
「ほう…立派だな、しかし、難しいぞ」
社長が言った。
「はい!」
「母さんは二級建築士を持ってるんだ」
「そうなんですか?」
「そうなの」
「今は私の立派な秘書だがな(笑)」
「それはまたゆっくりお話しましょ、これからお休みに入るから、ねっ、香穂理さん」
「あっ、はい、よろしくお願いします」
「じゃあ、香穂理さん、また…パーティーも楽しんで」
「はい」
お父様はそう言うと私達から離れて行った。
「何も言われなかったね、廉さん」
「そうだね、一緒に住むのも反対されなかったし、あっ、学生と言うのを忘れたな」
「年齢は関係なさそうね」
「……興味がないんだよ、きっと俺には……」
えっ、廉さん…今なんて……