兄の結婚式で久しぶりに会った初恋の人と0日婚ということでお願いします
香穂理はお正月に行った違和感が少しわかった。
「でも行事とかは来てたんでしょ?」
「多分、入学式、体育祭、3年の進路相談、卒業式かな、進路相談の時に家にお世話になっておりますって母さんと話したかな」
「私、まだ全然廉さんの事知らない」
「それは仕方ないよ、付き合ってないんだし、廉は家の事をほとんど話さない…香穂理がさ、昔、廉に向かって笑わないのって聞いたんだよ」
「嘘!めっちゃ失礼だ」
「でもそれから香穂理と少し遊ぶようになって感情が出てきたというか、クラスでも友達と合わせるようになったんだ」
お兄ちゃんが話終えると香穂理はコーヒーを入れた。
「廉は凄く周りに気を使っているんだ、渡瀬建設の息子としてな、廉が本気になったら怖いくらいだ、でもその反抗期だった廉を香穂理が変えてくれたから俺は廉は香穂理だけは大事にしてくれると思うんだ、他の女には冷たいと思うぞ」
だから結婚にも賛成したと話してくれた。
香穂理はこの前の誕生日の事をお兄ちゃんに話した。
「嬉しかったんだろうな、自分の事を考えてくれたから、香穂理は自分の味方と思っているんだよ」
「廉さんの闇は覗かないようにするよ(笑)夫婦円満の秘訣だね」
「まあ、夫婦で何もかも知ることはないと俺も思うよ、これからの未来を作るのが大事なんだからさ」
しばらくすると廉が帰ってきた。
「悪い、遅くなった」
「いいよ、わかってたし」
廉さんは上着を脱ぐと鞄から封筒を出した。
「これを頼む」
お兄ちゃんがサインをしているともう1人の証人の欄にはすでに名前が書いてあった。
「えっ、廉さんこの人って…本物?」
「偽物ってあるか?(笑)」
「だって世界的に有名な設計士さんじゃない」
「もちろん俺でも知ってるっていうか香穂理、緊張して書いてるのにびっくりして間違えたらどうするんだよ」
「あっ、ごめんなさい」