兄の結婚式で久しぶりに会った初恋の人と0日婚ということでお願いします
15話 0日婚でお披露目
ホテルに到着してタクシーから廉が降りると周りにいた女子社員はすぐに廉の側に寄ろうと近づき足を止めた。
廉が降りて手を差し出したのがわかったからだ。
同乗者がいる!と女子社員はじっと見ていた。
「待って、待って」
お尻を上げながらぴょんぴょんと跳ねてドアに寄ってくるのが可愛くて廉は笑ってしまった。
「置いていかないから、ゆっくりでいいよ、ぷっ、跳ねるのも可愛いけどな」
「だって…慣れないよ」
廉の手を取ると足を伸ばしてタクシーから降りた。
顔を上げると視線を感じながら廉さんが肘を出してくれて腕を組む。
「嘘!」
「えっ、課長!」
「指輪してる」
「昨日はしてなかったよ」
女子社員の声が香穂理にも微かに聞こえていた。
まあそうでしょうね、自分もここに来るとは思ってなかったから…それにしても視線が…
「ねぇ、廉さん」
「ん?」
「もしかして私達来るのが遅かった?廉さん世話役だから早く来ないといけなかったんじゃないの?」
「役割が決まってるんだ、だから俺は普通に間に合うように来ればよかったんだよ、あれだけ準備したんだし(笑)」
「確かに頑張ったよ、廉さんは」
「頑張った、頑張ったよ俺は」
受付を済ませ香穂理は親族と書かれたバッジを廉さんにつけてもらった。
きっと自分でバッジくらい付ければとか噂されてるんだろうなぁ…
でもうちの旦那様はスパダリだから何でもやってくれるんだ〜
バッジをつけると手を繋いで中に入るとまた視線を感じた。
「こんばんは」
後ろから声がして振り向くと有紗さんが立っていた。
「こんばんは」
「やっぱり注目を集めちゃってるわね(笑)」
「まあ、仕方ないです、来るつもりはなかったんですけど今日籍を入れたので廉さんに連れてこられました(笑)」
「廉くん、香穂理さんは預かるから」
「お願いします」
香穂理は小さくバイバイと手を振った。
「くすっ、可愛いわね」
「知らない人ばかりなので不安だったんです」
「そうね、わかるわ(笑)私も前はそうだった、お義母さんは今日は秘書として社員の方にいるからしばらくは話せないの」
有紗さん曰くパーティーが始まり挨拶が終わり余興になるとウロウロできるらしい。
それまでは親族は後方にいるのだそうだ。
立食だが大体部署事に集まっているそうだ。