君だけが、僕の世界
第14話 絶対離さない

『第14話 絶対離さない』


◯久我家のリビング

・立ったまま両手を握り、コツンと額をあてる結月と月々。月々は顔を真っ赤にしている。
月々:「ゆ、ゆづ…」
結月:「顔真っ赤」
・月々が初めての至近距離に戸惑い、目を泳がせる。
月々(心の声):(ヒーッ!綺麗なお顔が近いっ!)
・胸に手を当てるような仕草。心臓の鼓動が強調される演出。
ナレーション:今までにないくらいドキドキしている。
ナレーション:両想いだと分かった途端、今までの行動が恥ずかしい。

・額を合わせたまま、上目づかいで結月を見上げる月々。声は震えている。
月々:「い、いつまでこうしてるの?」
結月:「んー。満足するまで」
・結月は目を瞑ったままそう答える。額を合わせたまま、静かな空気。

・バチっと急に結月が目を開ける。月々が驚いて目を丸くする。
月々:「へっ…!?」
・結月の右手が月々の首筋に触れる。
結月:「痛かった?ここ」
月々:「あ…」
・月々はカラオケで結月に噛まれたことを思い出し、顔が赤くなる。
結月:「…まだ、ちょっと赤いね」
月々:「んっ…」
・優しい手つきで触れる結月。月々は甘い声が漏れてしまい、恥ずかしくて顔を隠す。
結月:「彩月のとこに行くんだと思ったら、抑えらんなくて。ごめん」
・「はぁ」とため息をついて反省している様子の結月。
月々:「痛かったけど…嫌じゃなかったよ」
・上目づかいで恥ずかしそうに言う月々。その姿に心臓を撃ち抜かれる結月。
・結月がグッと月々を引き寄せる。たちまち、強く抱きしめられる。
結月:「すき。だいすき。ほんとに、すき」
・月々は結月の胸に押し付けられ、顔を赤くしながら必死に耐える。
月々(心の声):(つ、つよっ…くるしっ…!)
結月:「大好きだからね、ほんとに」
月々:「わっ、分かったから…ゆづっ」
・月々は酸素が足りなくて、ふらっと後ろに倒れそうになる。結月が慌てて抱きしめる力を弱める。
結月:「わっ、るー!」
・結月がすぐに腕を伸ばし、月々を支える。驚いた表情。

◯リビング・ソファ

・結月と離れてソファに座る月々。両手でカップを包み、暖かい飲み物を飲んでいる。まだ胸はドキドキしている。
ナレーション:――落ち着いたはずなのに、鼓動は止まらない。
・結月がキッチンで自分の飲み物を用意しながら、何気なく話しかける。
結月:「そういえば、昨日彩月とどうなったの」
・“彩月”の名前に思わず固まる月々。目を見開き、カップを持つ手が止まる。
月々:「え…」
結月:「昨日、彩月に会いに行ってたじゃん」
・結月は振り返り、軽い調子で言う。月々は俯いてしまう。
・月々はコップを両手で握り締め、膝の上に置く。少し俯いたまま、口を開こうとする。

・月々がコップを両手で握り締め、膝の上に置いたまま俯いている。やがて顔を上げ、結月を見て力を込めて言う。
月々:「さっちゃんには…ゆづのこと幸せにしてって頼まれたよ」
結月:「え」
・結月が一瞬目を見開く。驚きと戸惑いが入り混じった表情。
・月々の胸が締め付けられるような描写。涙をこらえながら心の声が響く。
月々(心の声):(思い出しても、まだ胸が痛い…)

・結月がコップをテーブルに置き、真剣な表情で月々の隣に座る。距離が近づき、空気が張り詰める。
・結月がソファに座り、足に頬杖をついてそっぽを向きながら聞く。
結月:「るーは、彩月じゃなくて俺でよかったの?」
・結月の顔は見えないけれど、強がっていることが分かる月々。その姿に胸がギュッとなる。
ナレーション:――強がる声の奥に、不安が見える。
・月々が結月の背中に飛びつく。必死に抱きつきながら、声を震わせて言う。
月々:「ゆづじゃないと、だめなんだよ」
月々(心の声):(分かってほしい、伝わってほしい)

・結月がくるっと振り返り、月々の頬にそっと触れる。
結月:「かわいそうな、るー」
月々:「…え?」
・結月の言葉の意味が分からず戸惑う月々。結月がグッと顔を近づけてくる。

・結月が月々にキスをする。月々は驚きながらも、ぎゅっと目を瞑る。
月々:「…んっ」
・結月が顔を近づけたまま、真剣に問いかける。
結月:「ねぇ、いつ俺のこと好きだって気付いたの?俺のどんなとこが好きなの?るーは、俺と付き合ってなにしたいの?」
・結月がちゅ、ちゅと唇、頬、まぶたにたくさんキスをしてくる。月々はキャパオーバーで顔を真っ赤にして固まる。
月々(心の声):(む、無理っ…!頭が真っ白になる…!)
・月々が結月の胸をグッと押しながら、必死に言葉を絞り出す。
月々(心の声):(ちょっ、ちょっと待って…!ただでさえ、キスなんて初めてなのにっ、もう、いっぱいいっぱい…!)

結月:「答えてよ、るー」
月々:「まっ、待って!?その前に、ゆづのことも教えてくれないっ!?ゆづは、いつから私のこと好きだったの!?」
・早口で問い詰める月々。結月は目を見開いて驚く。
結月:「そんなこと聞きたい?」
・結月が少し意地悪そうに笑う。月々は顔を真っ赤にして目線を逸らす。
月々:「わっ、私だって…好きな人のこと知りたいし…」
・両手で膝の上をぎゅっと握りしめ、俯きながら言う。耳まで赤い。
・顔を真っ赤にして目線を逸らす月々を見て、ゾクッとする結月。瞳に熱が宿る。
結月(心の声):(あー、やばい…死にそう)
・結月が妖しい笑みを隠すように口元を手で覆う。瞳は熱を帯びている。

結月:「どれだけでも教えてあげるけど、引かないでね?」
・ニコっと笑う結月。軽い調子に見えるが、内心は真剣。
・月々が少し怖がりながら結月を見つめる。
月々(心の声):(な、何を聞かされるんだ…)

結月:「まずは、病院で初めて会ったとき天使だと思った。周りに遊んでくれる人もいなかったから、いつも病室に来てくれるるーに一目ぼれだったなー。 あ、でも。どこで彩月と知り合ったのか知らないけど、たまに“さっちゃん”って名前間違えるから嫉妬して大変だった。 あ、あと再会してからは――」
・結月が楽しそうに、止まらない勢いで語る。瞳はきらきらしている。
・月々が慌てて結月の顔の前で両手を広げ、ストップの合図をする。顔は真っ赤。
月々:「まって、まって!ストップ!分かった!もう、分かったから!」
・結月が一瞬きょとんとするが、すぐにくすっと笑う。月々の必死さが可愛くて仕方ない様子。

月々(心の声):(恥ずかしくて、死んじゃうよっ…!)
・顔を真っ赤にして両手を前に出す月々。結月がその手を取る。
・結月が月々の手のひらに、ちゅっとキスを落とす。そしてそのまま手をぎゅっと握る。
月々:「な…」
結月:「るー。もう、絶対離さないからね」
・結月の瞳は真剣で、奥に光が宿っている。月々はゾクッと背筋が震える。
・月々が唾をのみ込み、結月を見つめる。頬は赤く、瞳は揺れている。
月々(心の声):(…私、もうゆづから離れられない)



※場面転換



◯マンションのエントランス

・結月と付き合い始めて何日か経った後。
・夕方、コンビニ帰りの月々が帰宅しようとすると、彩月と鉢合わせする。
彩月:「今帰り?」
・穏やかな笑顔の彩月。柔らかい雰囲気。
月々:「うんっ」
月々(心の声):(さっちゃんとは、もっと気まずい感じになるかなと思ったけど…)
・少し安心したような表情。
・月々がふと考え込む。目線は下に落ちている。
月々(心の声):(って、そういえば結局さっちゃんの彼女のこと聞いてないや…)
・頭の中でぐるぐる考えが回る演出。

◯エレベーター内

・エレベーターが着いて、扉が開く。月々と彩月が並んで乗り込む。エレベーターの中、二人きり。
彩月:「そういえばさ」
・前を向いたまま話し始める彩月。月々はチラッと横目で見る。
彩月:「俺、月々ちゃんのこと好きだったんだよね」
・彩月は淡々とした口調。月々の目が飛び出るほど驚く。
月々:「…え!?」
・月々が焦って目を泳がせる。頭の中でぐるぐる。
月々(心の声):(待って?どういうこと!?さっちゃん、彼女いるんじゃ!?)
彩月:「2人が付き合ってるって聞いたから、月々ちゃんに結月のこと任せたんだけどね」
月々:「…え?」
・彩月は少し気まずそうに笑う。月々は目を瞬かせて混乱する。
彩月:「月々ちゃんと放課後デートしたことあったでしょ。その日の夜に、結月から聞かされて。あの時、強引に連れ出してごめんね」
・彩月は視線を落とし、申し訳なさそうに言う。

・月々が眉を寄せ、頭の中でぐるぐる考える。
月々(心の声):(…どういうこと?そのときはまだ、ゆづと付き合ってない…)
月々:「…さっちゃんが、私を避けるようになったのは、そのせい…?」
・両手でコップを握るような仕草をしながら、少し俯いて問いかける。
・彩月が鼻をかいて、チラッと横目で月々を見る。どこか照れ隠しのような仕草。
彩月:「うん、まぁ…月々ちゃんのこと好きだったし、諦めなきゃって思って…」
・彩月は少し照れ笑いを浮かべながら、視線を逸らす。

・月々が目を見開き、胸を押さえるようにして考え込む。
月々(心の声):(まって、ほんとに分からない…。どうして、ゆづはさっちゃんにそんな嘘をついたの?)
月々(心の声):(ゆづが…嘘をつかなければ、私とさっちゃんは今頃…)
月々(心の声):(…どうなってた?)
・チーンとエレベーターの音が鳴り、扉が開く。部屋がある階に到着。月々と彩月の間に一瞬の沈黙が流れる。

彩月:「…まぁ、そういうことだから。忘れて」
・優しい表情を浮かべて、歩いていく彩月の背中。
・月々が後ろから彩月の腕を引っ張る。袖を掴む手は震えている。
彩月:「え…?」
・彩月が振り返ると、俯いている月々。唇を噛みしめ、必死に言葉を絞り出す。
月々:「さっちゃんは…彼女いる?」
彩月:「え…。いないけど…」
・少し驚いたように答える彩月。月々の胸がドクンと嫌な音を立てる演出。
・月々がひくついた表情で、震える声で問いかける。
月々:「え…じゃあ…今までは…?」
彩月:「彼女は、いたことないよ」
・月々の胸に“ゆづ”の名前がよぎる。心の声が重く響く。
月々(心の声):(…ゆづ)

彩月:「2人が付き合ってるって結月から聞いて…それでも、月々ちゃんのこと諦められなくて…クリスマスに告白しようとしたんだけど…」
・彩月が少し俯きながら、苦笑いを浮かべる。
・月々は俯いたまま、汗がじわっと滲む。胸の奥がざわついている。
ナレーション:――心臓が、嫌な音を立てる。
・彩月が心配そうに月々の顔を覗き込む。月々は目を逸らし、唇を噛みしめる。

彩月:「月々ちゃん…?体調悪い?結月のことで悩みでもあるの?」
月々:「あ、えっと…」
・心配させないように顔をあげると、真剣な顔をしている彩月と目が合う。
彩月:「諦めようって何度も言い聞かせてきたけど…。まだ、好きでいてもいいよね?」
・彩月の瞳は揺らぎながらも真剣。月々は息を呑む。
・グッと腕を引き寄せられて、彩月に抱きしめられる月々。驚きで目を見開く。
ナレーション:――双子なのに、ゆづとは違った香りに包まれる。

・月々が固まったまま、胸の奥がざわつく。心臓の鼓動が強調される演出。
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