Existence *
外に出て、流星が書いた紙を見つめる。

と言うよりも、なぜ俺がこんなめんどくさい事をしてまでリアを探さなきゃなんねぇのかって思ったくらい。

会いたくねぇ時には出くわすのに肝心な時には出会わない。


だけど、リアに会わないと俺の気が済まなかった。

ほんと、下らねぇ事してくれたなって事が正直の気持ちで、美咲に言われた言葉がやけに重く伸し掛かってしまった。

紙に書かれてあるBarの名前。

ここから歩いて駅周辺にある一軒の店。


ここに来て今更ながらに思った。

ここの駅が美咲が仕事で通ってる学校の駅だと言う事。


正直、美咲に距離を置きたいって言われて、それを認めたわけでもない。

ただあの時は何も言えなかった。

泣く美咲を見て、そうさせたのは俺だって事。

ホスト柄そう思わせていたのは事実で、何もないって言いきっても、疑われるのも仕方がないって思うから。


リアのよく行くBarとやらに足を運んだ。

黒に統一された店内は落ち着いた雰囲気で、辺りを見渡すもリアらしき人は居なかった。


「当たり前か、」


小さく呟き、カウンターの席に腰を下ろす。

酒を注文し、取り出したタバコに火を点けた。


こんな偶然よく会うわけねぇか…

アイツと会うにはまだまだ日数が掛かるだろうと思うと、重いため息が零れる。


会いたくねぇのに会わねぇといけないこの苦痛が物凄くしんどい。

リアは一体どうやって美咲の事を知ったのだとか、誰からの情報で美咲の事を知ったのだとか、余計な事ばかりを考えてしまう。


距離なんか置いてたら絶対にこのままいい方向に向かう事なんてない。


…――私の居る意味が何もないじゃん!!


美咲の叫んだ言葉が頭の中を過る。

一緒に居る意味があるから居るんだろうが。

ずっと想い続けていた俺の5年は何だったって話になる。


ほんっと、何もかもめんどくせぇな。
< 228 / 247 >

この作品をシェア

pagetop