Existence *
「まぁ、そうだよね。ミカには大好きな彼が居るもんね」

「ちょ、もぉ言わなくていいから」

「あ、そうだ。ねぇホストに戻るってホントですか?」


興味津々で聞いて来るミカの友達に思わずフッと鼻で笑う。


「な。どこからそんな話になってんのか…」

「なんか色んなところから聞きますよ?しかも戻って来るって言う前提で」

「前提でってなに?」

「え?なんかオーナーとか代表で戻って来るって話、周りから聞いてますよ?」

「なにそれ…」

「あ、やっぱり違うんですね――…」

「うわぁ!楓さんっ、こんな所で何してるんすか?」


不意に聞こえた聞き覚えのある声。

振り返るとアキとタケルが笑みを浮かべながら近づいてきた。


「つか、何でこんな所に居んだよ」

「つか楓さんこそ、何してるんすかー?」


頬を緩めて、アキは目の前に居る女、三人に視線を送る。


「あやしーっ、」


タケルがそう声を漏らして同じく頬を緩めた。


「あ?何もねぇわ」

「本間っすかぁ?」

「なんかあるように見えっか?」


顔を顰めて呟く俺に、隣に居たミカがクスリと笑った。


「楓が女と居たら常に怪しいよねぇー」

「そうそう怪しいっす」

「もうお前ら勝手に言ってろ。俺、帰るわ」

「えー、もう帰るんすか?これから飲みに行きません?」

「行かねぇよ。じゃあな、」


そう言って足を進めようとした足を止め、振り返ってミカを見る。


「ありがとな」

「どういたしまして。楓の悩みが解決するといいよねぇ」


面白そうにクスクス笑うミカに俺は思わず眉を寄せる。


「え?なんなんすか、その意味深」

「うわー、ますます怪しいっす」

「はいはい、じゃあな、」


騒いでるコイツらを無視して、俺は足を進めていく。

少し歩いたところで、丁度通りかかったタクシーに乗り込み、俺は帰宅した。
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