Existence *
月曜日が来るまで気が気じゃなかった。

あたりまえだけど美咲は来ることも連絡さえも一切ない。

距離を置けば置くほどいい事なんて何一つない。


美咲の言葉を受け取って、そうしたけれど、それに納得が出来ない余計な苛々が積もる。


月曜日。

ミカに言われた場所に来て、そのビルの前で足を止めた。

見上げるビルに一息吐き、歩道と道路の境目にある柵に腰を下ろす。

スマホを取り出して画面に明りを灯し、時間を見た。

丁度、20時を過ぎた所。


本当にここからリアが出て来るのだろうか。

少し半信半疑な気持ちのままで待つこと数分。


一向に姿を現さないリアにため息が漏れ、ポケットから取り出したタバコを咥えた時、ビルの出入り口から出てきたリアの姿を捉えた瞬間、俺は咥えていたタバコを箱に戻す。

その箱をポケットに仕舞、歩いていくリアの背を追った。


「…おい、リア」


リアの背中に向けて言葉を吐き出すと、リアの声が止まり、ゆっくりと振り返る。

振り返って俺を見たリアは別に驚くこともなく、俺をジッと見つめた。


「もしかして、私を待ってたの?」

「あぁ。お前さ、アイツに何言った?」

「なに?アイツって誰よ、」


リアの表情が一気に曇る。

グッと眉間に眉を寄せて腕を組むリアは俺から視線を避ける様に逸らす。


「言わなくても分かんだろうが。余計な事すんなや」

「余計な事って何よ?」


リアの視線が俺に向き、不満そうな表情で俺を見た。


「アイツは一切関係ねぇだろ。まじ余計な事してんじゃねぇよ」

「関係ない?あるでしょ?あの女の所為で楓は辞めたんだから関係あるでしょ」


やっぱ、そうだった。

美咲に言ったのはリアに違いない。


「違う。アイツの所為で辞めたんじゃない。俺自身が決めた事」

「楓は本当にあの女と付き合ってんの?」

「あぁ」


呟いた俺にリアは嘲笑気味にフッと笑った。

そして一息吐いた後、身構える様に俺にゆっくり視線を向けた。
< 236 / 247 >

この作品をシェア

pagetop