Existence *
帰宅して、また酒を飲み、それがいつの間にか俺の日課になっていた。

ここ数日間、お酒を飲むことがやけに増えた。

酒を飲まないとやってられないと言うのはこの事だろうか。

いや、そうなってしまってる自分がただ馬鹿なだけか。


飲まないとやってられないようにしているのは、この自分自身だって事。


美咲の性格からして分かる。

多分、俺から出向かわないとこのままずっと距離を置いたままになるだろう、と。


こうなってしまったのも俺が作り上げた事であって、美咲は何も悪くはないって事。

美咲の気持ちに寄り添う事が、出来なかった――…



リアと会った次の日、まだ俺の心はモヤが掛かった様に重かった。

結局は全然解決してなくて、だからこそ余計にため息が深く吐き出される。


いつも通り帰宅し、そのまま直行するように風呂場に向かいシャワーを浴びる。

そのまま冷蔵庫から取り出したビールを手にし、俺はソファーに倒れ込んだ。


疲れを払い取るようにため息を吐き出し、ビールに手を伸ばすと同時にスマホが音を奏でる。

そのビールに向かう手をスマホに伸ばし、俺はその名前に一息ついた。


「…はい」

「お前、今どこに居んの?」


流星の声とともに身体を起し、深くソファーに背を付ける。

テーブルにあるタバコを掴み取り、咥えたタバコに火を点けた。


「家」

「お前さ、あの女に何言ったんだよ、」


ため息交じりに吐かれる言葉に「は?」素っ気なく呟く。


「リアだよ、リア。なんか知んねぇけど、すっげぇ不機嫌」

「知んねぇよ、んな事」

「リアに会っただろ、お前」

「あぁ」

「その事もだけどよ、話したい事あるから閉店前に店に来て来んね?」

「は?めんどくせぇわ」

「いやいや、俺の方がめんどくせぇわ。リアの話も聞かねぇといけねぇしよ、」

「……」

「お前のせいでな」


流星の言葉にタバコを咥えたまま眉間に皺を寄せる。

つか俺の所為ってなに?

むしろリアの所為でめんどくさくなってる。


でも丁度良かったと思った。

流星に言いたいこともあるし、聞きたい事もある。


流星に行くことを告げ、俺は閉店前店に向かった。
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