Existence *
数日たったある日。

美咲が俺の所には来ない日。

流星に言われたことを思い出し、俺は一軒のバーを訪れた。


最近はあまり来ることはなくなったが、昔はよく来ていた場所。

この辺りじゃ有名なBar。

室内も広いし、色んな客が集まって来る。

何席かのソファーが置かれていて、俺はそこに座ることなくカウンターへと腰掛けた。


「話って何?」


先に来ていた流星に俺は声を掛ける。

そんな俺に流星は視線を向け、笑みを作った。


「久しぶりだな、翔くん。身体の調子どう?」


面白そうに言ってくる流星に顔を顰める。

夜の仕事を辞めた時から、流星は俺の事を翔と呼ぶようになった。

流星なりに夜から外れた俺に気遣ってるのだろうか。

でもまぁ、俺もそのほうが有難い。


「浴びるほど飲まねぇから順調」

「なら良かった」

「で、なんだよ、」


ポケットから取り出したタバコ。

それを咥えて火を点けると、


「翔さん、めっちゃ久しぶりっすね」


カウンターにいる(あさひ)が俺に視線を送り笑みを向けた。


「ほんま久しぶり」

「夜の仕事辞めてから来てなくないっすか?」

「そーかなぁ…はよ寝てっからな」


そう言って苦笑いをしながらタバコを口に咥えた。


「翔さんの口からそんな言葉が聞けるなんて。あーっと、何飲みます?ブラッディ・マリーでもいっときますか?」

「なんの嫌がらせだよ、トマト嫌いっつってんのに」

「いや、久々なんで。いつものでいいっすか?」

「いいよ」


旭が笑いながら背を向け、飲み物を作り出す。

そんな旭から俺は流星に視線を向けた。


「で?」


タバコを咥えたまま向ける視線に流星は平然とした表情で口を開いた。
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