Existence *
「…そんな事、ないと思う。ほら翔、言ってたじゃん。親は子供を責めたりしないって。だから…だからきっと恨んでなんかないよ?」

「だと、いいけどな」

「きっと今は…凄いねってそう思ってるかもしれないよ?」

「何で?」

「ほら、翔は頑張りやだから」

「何それ。つか、それを美咲に言われたくねぇわ」


まじで。

誰に言ってんだよ。

それ俺じゃなくて、お前だから。

思わず苦笑いが漏れる。


「行こっか」


あまりにも日差しがキツクて見上げた太陽から目を逸らす。

頷く美咲と共にこの場を離れて車に乗り込む。


「ねぇ、昼ご飯はどうする?」

「あー…別にどっかで食ってもいいし」


そう言いながら少しだけ窓を開け、タバコを咥え火を点ける。


「どこかって…」

「どっか行きたい所ある?」


タバコを咥えながら美咲を見ると、美咲は首を傾げた。

考え込む美咲から視線を外し、俺は窓の隙間に吐きだした煙を外へと放つ。


「うーん…。あ、そうだ。家の広告で見たんだけど、凄く大きなショッピングモール出来たんでしょ?」

「あー…そう言えば昨年出来たな」


確か、今年の春。

優香から、子供の遊ぶところがあるから瀬那と杏を連れて行こうと思うんだけど一緒に来ない?って言われた所。

もちろん、行かねぇよ。って断ったけど。

それに着いて行ったら絶対俺が見る羽目になると思って、行かなかったところ。

と言うか仕事で行けなかった。


「そこ行ってみたい」

「いいけど、あれって隣町だっけ?」

「うん…と思う。場所分かる?」

「なんとなく。まぁ行ってみればわかるだろ」


うる覚えの場所。

なんとなく優香から聞いた場所を思い出す。
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