Existence *
「住んでないって何で?引っ越したの?」
「あー…」
呟くように語尾を伸ばしながら足を進める。
その俺の背後を駆け寄るように来て、美咲は俺の顔を覗き込んだ。
「ねぇ、なんで?」
不思議そうに問いかけてくる美咲に俺は一瞬だけ視線を美咲に送る。
「何でって、家賃高いし」
「高いってそんなの前々から分かってたじゃん」
「なんつーか、辞めたから」
「辞めた?…何を?」
「何をってホスト」
「へ?」
驚いたと言うよりも状況が掴めないと言うのだろうか。
素っ頓狂な声を出した美咲は理解が出来てない様子だった。
「何、その反応。俺が辞める事を望んでたんじゃねぇの?」
ホストをしていた時、美咲を散々苦しめていたと自分にでも分かっていた。
たかが仕事。
そう割り切ってしていた。
そして美咲も、そう割り切っていてくれていた。
だからと言って、美咲の為に辞めたとかではない。
「いつ、辞めたの?」
「んー…3月」
「そうなんだ。…知らなかった」
「だって言ってねぇし」
「ねぇ、今は何してんの?」
「トビ」
「そっか。で、どこに引っ越したの?」
「前のマンションの近く」
「へぇー…ねぇ、ママは元気にしてた?」
次々発せられる美咲の言葉に俺はついため息を吐き出してしまった。
そして足を止めて美咲をジッと見つめる。
そんな俺に対して美咲は不思議そうに俺を見つめ返した。
「あー…」
呟くように語尾を伸ばしながら足を進める。
その俺の背後を駆け寄るように来て、美咲は俺の顔を覗き込んだ。
「ねぇ、なんで?」
不思議そうに問いかけてくる美咲に俺は一瞬だけ視線を美咲に送る。
「何でって、家賃高いし」
「高いってそんなの前々から分かってたじゃん」
「なんつーか、辞めたから」
「辞めた?…何を?」
「何をってホスト」
「へ?」
驚いたと言うよりも状況が掴めないと言うのだろうか。
素っ頓狂な声を出した美咲は理解が出来てない様子だった。
「何、その反応。俺が辞める事を望んでたんじゃねぇの?」
ホストをしていた時、美咲を散々苦しめていたと自分にでも分かっていた。
たかが仕事。
そう割り切ってしていた。
そして美咲も、そう割り切っていてくれていた。
だからと言って、美咲の為に辞めたとかではない。
「いつ、辞めたの?」
「んー…3月」
「そうなんだ。…知らなかった」
「だって言ってねぇし」
「ねぇ、今は何してんの?」
「トビ」
「そっか。で、どこに引っ越したの?」
「前のマンションの近く」
「へぇー…ねぇ、ママは元気にしてた?」
次々発せられる美咲の言葉に俺はついため息を吐き出してしまった。
そして足を止めて美咲をジッと見つめる。
そんな俺に対して美咲は不思議そうに俺を見つめ返した。