Existence *
「…はい」

「今日、沙世さんの所で飯食わね?」

「はい?なんで?」

「誘われたから」

「誘われたって、お前…」


また何を話してたんだか。と思いながら、手に持っていたタバコを咥え、ライターで火を点ける。


「今日、店休みだからよー、沙世さんが皆でご飯食べにおいでよって。だからお前もどうかなって、お前暇だろ?」

「暇じゃねぇよ」

「あー…美咲ちゃん居んの?」

「いねぇけど。いねぇから勉強してーんだけど」

「勉強、勉強って、お前ちょっとは頭冷やせ。アキも来っからさぁ、タケルも呼んどけよ」

「んー…って、どんだけ誘ってんだよ」

「うん?適当にな。ま、来たかったら沙世さんの店来いよ。あ、あの店じゃなくて駅裏の方な」


一方的に話して、一方的に切った流星にため息を吐き出し、タバコを咥えてタケルを見る。


「沙世さんの店で夜飯食うから来いよっつー電話。アキも来るらしいけど」

「まじっすか?もちろん行くに決まってるっす」

「だろうな。蓮斗も来る?」

「行かねぇよ」

「あ、梨々花、怒る?」

「いや、そんなんで怒んねぇけど、この後、事務所で仕事残ってっし」

「あぁ、そっちかよ」

「蓮斗さんも毎日大変っすよねぇ…」

「お前が暇すぎんだよ」

「そう。俺暇っす。翔さんも行くっしょ?」

「迷い中」

「何にそんな迷うんすか?」

「うーん…」


結局迷った挙句、その日の夜。

沙世さんの別の店に来てしまった。

別に来るつもりなどなかった。

だけど。


何度も鳴り続ける電話にうんざりし、結局来てしまった。

午後8時半過ぎ。

ここの別の店はほんとに久しぶりで8年くらいは来ていないだろう。

いつも行く店とは違い、更に高級感を増す。

こじんまりではなく、広い空間。


そこに足を踏み入れると、なにこれ…と思わせるくらいの光景。


「なんの集まりだよ…」


思わず呟いてしまった。
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