Existence *
「…ごめん、美咲」
もう、ここまで来ると隠すものも隠せなかった。
俺がもっと、もっと、もっと。
もっと意識してお母さんに顔を出し、気遣えばよかったと今更ながらに後悔した。
まさか、再発してるとは――…
「隠してたの?」
美咲の沈んだ声が静まり返った空気を濁す。
いつかはそう言われると思ってた。
「5年前。美咲が旅立って1ヶ月した後、お母さんの病気が発覚した」
「……」
「初期症状で手術したら助かるって言う状況で――…」
「葵も!!諒ちゃんも!!みんな知ってたの?」
「あぁ」
張り上げる美咲の声に俺はそう告げるしかなかった。
「何でっ、何でよ!おかしいでしょ、それ?私だよ?私のママだよ?なのに私だけ知ってないっておかしいでしょ!?」
再び張り上げた声のまま美咲が振り返る。
その目には涙が溜まっていて、その涙が美咲の頬を何度も滑り落ちる。
その涙を拭う事も出来ずに俺は美咲を見つめた。
そう言われてもおかしくはない。
美咲が言ったことは当たり前で、正論を言う美咲は間違ってはいなかった。
「行ったばかりの美咲に言う事なんか出来なかった。ましてや旅立ってまだ1ヶ月。美咲に言うと大切な夢壊れるんじゃねぇかって思って…」
「だからって何でそーなるの?別に夢なんて壊れてもいい。私の事なんてどうだっていい!ね、違う?」
悲しそうにする表情から伝う涙。
時折その涙を拭って、美咲は鼻を啜った。
「悪い。…俺が言うなって口止めしたから」
だから悪いのは俺。
諒也も葵ちゃんも誰も悪くはない。
俺が決めた事。
もう、ここまで来ると隠すものも隠せなかった。
俺がもっと、もっと、もっと。
もっと意識してお母さんに顔を出し、気遣えばよかったと今更ながらに後悔した。
まさか、再発してるとは――…
「隠してたの?」
美咲の沈んだ声が静まり返った空気を濁す。
いつかはそう言われると思ってた。
「5年前。美咲が旅立って1ヶ月した後、お母さんの病気が発覚した」
「……」
「初期症状で手術したら助かるって言う状況で――…」
「葵も!!諒ちゃんも!!みんな知ってたの?」
「あぁ」
張り上げる美咲の声に俺はそう告げるしかなかった。
「何でっ、何でよ!おかしいでしょ、それ?私だよ?私のママだよ?なのに私だけ知ってないっておかしいでしょ!?」
再び張り上げた声のまま美咲が振り返る。
その目には涙が溜まっていて、その涙が美咲の頬を何度も滑り落ちる。
その涙を拭う事も出来ずに俺は美咲を見つめた。
そう言われてもおかしくはない。
美咲が言ったことは当たり前で、正論を言う美咲は間違ってはいなかった。
「行ったばかりの美咲に言う事なんか出来なかった。ましてや旅立ってまだ1ヶ月。美咲に言うと大切な夢壊れるんじゃねぇかって思って…」
「だからって何でそーなるの?別に夢なんて壊れてもいい。私の事なんてどうだっていい!ね、違う?」
悲しそうにする表情から伝う涙。
時折その涙を拭って、美咲は鼻を啜った。
「悪い。…俺が言うなって口止めしたから」
だから悪いのは俺。
諒也も葵ちゃんも誰も悪くはない。
俺が決めた事。