クリームソーダだけがおいしくなる魔法
コース料理ではなく単品を頼んだ。彼は牛肉と豚肉の合いびき肉のハンバーグステーキにトマトソースがかかったものを頼んだ。カロリー高くなさそう。焼き色のついたマッシュルームとブロッコリー、それにニンジンが添えてある。金色のサフランライス。飲み物は無糖の炭酸水。
「相変わらずハンバーグ好きだね」
「会社のひとの前では頼めないよ。子どもっぽく見えるって」
「そんなこと言うひといるの? パワハラじゃん」
「まぁね。会社の試食で堂々と食べてる」
「プッ」
ようやく唇がやわらかくなった。いつものふたりが戻ってきた。ふたりでほほ笑み合う。あたたかい幸せで胸が満ちる。
私はグラタンにした。ていねいに作られたホワイトソース。マカロニとエビとイカがたっぷり。ミートソースがひかえめにかくれていて飽きの来ない味だ。ふたつのソースを混ぜても良いし、別々に食べたら味変が可能。フランス生まれのオレンジ味の微炭酸飲料と合う。
サービスとしてほんの少しクスクスが出た。小さな粒状のパスタ。キャベツとコーンと白菜のコールスローの上に乗っている。ドレッシングは手作りらしく上質でクセの少ないオリーブオイルをバルサミコ酢と粒の大きい塩とコショウがキュッと引き立てている。
「かなりローカライズ化されている味だね。日本風だ」
「本場のフランス料理って食べたことある?」
「レストランサービスの修業したときに学校でね」
「学校で!?」
「そう。生徒みんなで作って生徒自身がサーブして生徒自身が食べて片づける」
「何それ。おもしろそう」
「作るのはたいへんだけど楽しかったよ。ワインにもくわしくなれるしね」
彼はドリップのコーヒーのように小声で話しているが、言葉のひとつひとつに芯がある。こちらに真摯に言葉を伝えようとするしゃべり方だ。友人同士でしか聞かないしゃべり方。(「友だち」と言うサークルにいる私)
いつかは終わりそうなこの食事会。どちらかに恋人ができたとき、あるいは、結婚したとき。
「あ」
「相変わらずハンバーグ好きだね」
「会社のひとの前では頼めないよ。子どもっぽく見えるって」
「そんなこと言うひといるの? パワハラじゃん」
「まぁね。会社の試食で堂々と食べてる」
「プッ」
ようやく唇がやわらかくなった。いつものふたりが戻ってきた。ふたりでほほ笑み合う。あたたかい幸せで胸が満ちる。
私はグラタンにした。ていねいに作られたホワイトソース。マカロニとエビとイカがたっぷり。ミートソースがひかえめにかくれていて飽きの来ない味だ。ふたつのソースを混ぜても良いし、別々に食べたら味変が可能。フランス生まれのオレンジ味の微炭酸飲料と合う。
サービスとしてほんの少しクスクスが出た。小さな粒状のパスタ。キャベツとコーンと白菜のコールスローの上に乗っている。ドレッシングは手作りらしく上質でクセの少ないオリーブオイルをバルサミコ酢と粒の大きい塩とコショウがキュッと引き立てている。
「かなりローカライズ化されている味だね。日本風だ」
「本場のフランス料理って食べたことある?」
「レストランサービスの修業したときに学校でね」
「学校で!?」
「そう。生徒みんなで作って生徒自身がサーブして生徒自身が食べて片づける」
「何それ。おもしろそう」
「作るのはたいへんだけど楽しかったよ。ワインにもくわしくなれるしね」
彼はドリップのコーヒーのように小声で話しているが、言葉のひとつひとつに芯がある。こちらに真摯に言葉を伝えようとするしゃべり方だ。友人同士でしか聞かないしゃべり方。(「友だち」と言うサークルにいる私)
いつかは終わりそうなこの食事会。どちらかに恋人ができたとき、あるいは、結婚したとき。
「あ」