クリームソーダだけがおいしくなる魔法
「え、あ、あの、良いけど、」
「良かった。良いんだ」
「あ、いや、でも、なんで私?」
「君しか考えられません。いっしょに生活していくのは。未来を、将来を描いていくのは」

彼は、
きっと、おたがいの手のうちの探り合いをやめたのだ。そして妥協したのだ。私で。
今までモテにモテまくって恋人もたくさん作っていた。将来を考えた上、私で良いと思ったんだ。幼なじみの私で。都合が良いから。
(私は、書類上の妻になるのか、このひとの)

幼い頃からずっと見て来た彼の美貌をあらためてじっくりと見る。綺麗だ。本当にきれいだ -
(泣きたくなるくらい)

「と、言うわけで、はいこれ、婚姻届」
「展開早すぎ」
「あ、間違えた。えっと、指輪、指輪、」
「しまらないねぇ」
泣きたいのに笑ってしまう。彼があまりにもあわてすぎていて。そう言えば昔からかんじんなところではおっちょこちょいだった。
「え、指輪、忘れた……」
「プッ」

おもしろそうだから、書類上の妻でも良いや。

「実は……
小さい頃から君のご両親に将来は君と結婚したいと言っていたんだけど、
上手い具合にはぐらかされたり本気で叱られたりしたんだよね。
この間、やっと許可をいただいたよ」
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