クリームソーダだけがおいしくなる魔法
「え」
そんなこと全然知らなかった。誰も教えてくれなかった。彼は照れくさそうに真っ赤になった頬をぽりぽりかいてあさっての方向を見た。
「『将来君がイケメンになったら考えても良い』とか」
「昔から君はイケメンだが」
「『君はまだ恋愛を知らないんだよ。恋愛してみなさい』って言われたりとか」
「うわ。めんどくさい」
「だから、彼女、とか、彼氏、とか作ってみたけど……
なんか、友だち以上は考えられなくて」
「待って彼氏もいたんかい。どんだけタラシよ?」
「誤解だ! 仕方がなかったんだよ。君のご両親ってあの、ちょっと、その、
君のこと大好き過ぎて、その、」
「ごめん。よけいな苦労かけて」
つまり、
うちの両親は私にだけではなく、彼にも過干渉をしていたわけだ。
一途で真面目な彼はひとつひとつ無茶な条件をクリアしてきたのだろう。そんなのほっとけば良いのに。(もっと早くグイグイ来て良かったのに)
「よし、逃げよう」
私がきっぱりとそう言うと、彼が顔をしかめる。
「ダメ。僕はきちんとしたい。君のご家族や親戚や友人のみなさんに祝福されて君と結婚したい」
「ちなみに君のご両親とお兄さんたちは」
「君が僕と結婚してくれるんだったら、毎日がサンバ・カーニバルになってしまう」
私は彼のご両親と兄たちを思い浮かべた。本当に毎日がサンバ・カーニバルになりそうである。嬉しいけれどちょっぴりうっとうしい。うちの家族と姉たちも巻き込まれそうで愉快だ。私は参加したくないから家族よ私のために尊い犠牲になってくれ。
そんなこと全然知らなかった。誰も教えてくれなかった。彼は照れくさそうに真っ赤になった頬をぽりぽりかいてあさっての方向を見た。
「『将来君がイケメンになったら考えても良い』とか」
「昔から君はイケメンだが」
「『君はまだ恋愛を知らないんだよ。恋愛してみなさい』って言われたりとか」
「うわ。めんどくさい」
「だから、彼女、とか、彼氏、とか作ってみたけど……
なんか、友だち以上は考えられなくて」
「待って彼氏もいたんかい。どんだけタラシよ?」
「誤解だ! 仕方がなかったんだよ。君のご両親ってあの、ちょっと、その、
君のこと大好き過ぎて、その、」
「ごめん。よけいな苦労かけて」
つまり、
うちの両親は私にだけではなく、彼にも過干渉をしていたわけだ。
一途で真面目な彼はひとつひとつ無茶な条件をクリアしてきたのだろう。そんなのほっとけば良いのに。(もっと早くグイグイ来て良かったのに)
「よし、逃げよう」
私がきっぱりとそう言うと、彼が顔をしかめる。
「ダメ。僕はきちんとしたい。君のご家族や親戚や友人のみなさんに祝福されて君と結婚したい」
「ちなみに君のご両親とお兄さんたちは」
「君が僕と結婚してくれるんだったら、毎日がサンバ・カーニバルになってしまう」
私は彼のご両親と兄たちを思い浮かべた。本当に毎日がサンバ・カーニバルになりそうである。嬉しいけれどちょっぴりうっとうしい。うちの家族と姉たちも巻き込まれそうで愉快だ。私は参加したくないから家族よ私のために尊い犠牲になってくれ。