花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 そっと指を重ねる。しっとりと温度のある唇。この唇が何度も、私のあらぬ箇所を貪った。敏感になり過ぎたこのからだは昨夜のランデブーを思い返すだけで火照る。

 いけないいけない。

 そっと布団を抜け出ようとしたときに強い力に襲われた。

「だーめ。花。離さない……」

 むにゃむにゃと言っている辺り、目覚めてはいないようだ。無意識でこれをやるのか。流石神宮寺家の御曹司。寝ていてもやることが違う。

 恋生の意識が目覚めるまで、甘い拘束に夢見心地だった。尿意を覚えるまでは。

 *

「もう。恋生ってば、寝てるのに私のことを離さないんだから。困っちゃうわよ」

「あはは」さっぱりとしたシルクのパジャマ姿の恋生。気が抜けていてなんだか新鮮だ。「……花。はい。じゃあ、あーんして」

 シャインマスカットの粒を差し出され口に入れる。うわ、「……うんまっ」

「花は昔から心底美味しそうに食べるよねえ」と何気なく恋生は喉をくつくつ鳴らして笑うけれど。……あれ。
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