シンデレラは豪雨の中で拾われる
あの後、手を取られたままロータリーへと出た。タクシー待ちの行列を横目に向かった先に止まっていたのは、明らかな高級車。まさか、
「え、…あ、あの……」
「あの車です」
葛城さんが軽く手を挙げると、例の黒塗りの高級車が静かに横付けした。しかも運転手付き。運転手の恭しい動作に、私はますます自分が場違いだと感じた。
「私がこのまま乗ったら、折角のシートが濡れてしまいます」
「気にしないでください。それに、そろそろ買い替えを検討しているんです。ほら、また濡れてしまいますよ」
葛城さんに促され、車内に乗り込む。温かい車内にほっとしたが、葛城さんの次の言葉に驚かされた。
「さて、一旦貴女の服を買いに行きましょうか」
彼は私を見下ろし、少しだけ目を細めた。そして頷くと、運転手に行き先を伝えた。聞き間違え出なければ、あるブランド店の名前だ。
「え、私お金ないですよ!?」
「ははっ、面白いことをおっしゃりますね。貴女からお金をいただく気はありません。あくまでも、私からお声がけさせていただいたんです。甘えてください」
なんて出来上がった言葉だろう。こんなことを言われれば、世のほとんどの女性はイチコロだろう。
私だって、こんな惨めな出会い方をしていなければ惚れていたに違いない。今は引け目を感じすぎて、惚れる惚れないの話まで考えられない。
「ありがとう、ございます」
慣れない高級車の中で、お礼を言うのが精一杯だった。
「え、…あ、あの……」
「あの車です」
葛城さんが軽く手を挙げると、例の黒塗りの高級車が静かに横付けした。しかも運転手付き。運転手の恭しい動作に、私はますます自分が場違いだと感じた。
「私がこのまま乗ったら、折角のシートが濡れてしまいます」
「気にしないでください。それに、そろそろ買い替えを検討しているんです。ほら、また濡れてしまいますよ」
葛城さんに促され、車内に乗り込む。温かい車内にほっとしたが、葛城さんの次の言葉に驚かされた。
「さて、一旦貴女の服を買いに行きましょうか」
彼は私を見下ろし、少しだけ目を細めた。そして頷くと、運転手に行き先を伝えた。聞き間違え出なければ、あるブランド店の名前だ。
「え、私お金ないですよ!?」
「ははっ、面白いことをおっしゃりますね。貴女からお金をいただく気はありません。あくまでも、私からお声がけさせていただいたんです。甘えてください」
なんて出来上がった言葉だろう。こんなことを言われれば、世のほとんどの女性はイチコロだろう。
私だって、こんな惨めな出会い方をしていなければ惚れていたに違いない。今は引け目を感じすぎて、惚れる惚れないの話まで考えられない。
「ありがとう、ございます」
慣れない高級車の中で、お礼を言うのが精一杯だった。