シンデレラ・スキャンダル
潤さん、忍さんとハグを交わしていくと、順番待ちのように、優くんと徹さんが両手を広げて待ち構えていた。畑中さんまでその先に待っていて、視線を投げれば頷いてくれる。

それを見た優くんは、わたしが飛び込むより先に、駆け寄るようにしてわたしをその長い腕の中に抱き締めた。

「綾乃、日本でも会おうね」

「うん」

中々離してくれない優くんに笑いがこみ上げてきて、その胸を軽く叩けば、目の前の人は「いいじゃん」って言って、抱き締める腕に更に力を込める。

「優斗、次、俺の番」

「まだ待ってよ。徹さん、触りたいだけでしょ!」

「優斗だってそうだろ」

「優斗も徹も早くしてよ。俺も綾乃ちゃんとハグチュッチュすんだから」

「畑中、まじでやめろ」

龍介さんが畑中さんの胸ぐらを掴んで、怒気を込めた声を響かせている。

ハワイに来たときは一人であんなに心細かったのに、なんて賑やかな別れなのだろう。みんなの体は熱くて、ふざけているはずなのに、また涙が零れ落ちそうになる。

「綾乃」

「龍介さん」

いつもの香りを胸いっぱいに吸い込めば、瞳に浮かんだ想いが溢れて、そのまま彼のシャツに吸い込まれていく。それは、甘く、優しく、そして、ひどく愛おしい、彼、龍介さんの匂い。
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