シンデレラ・スキャンダル
10話 揺らめく心
眩しい程に輝いていた太陽が傾き始めた頃、わたしたちは一階に戻り、サンセットを窓越しに見ながら、夕飯を作って食べた。
片付けが終わると、龍介さんはソファに深く体を沈めてテレビをつける。海外のアーティストの曲が流れ出して、龍介さんがそれに合わせて微かに口ずさんだ。バルコニーで話しているときに、音楽が好きだと言っていたことを思い出す。
(そういえば、飛行機の中でも龍介さんはイヤホンで何かを聴いていたな)
このレンタルハウスにはピアノもギターも置いてあり、それを弾くこともあるらしい。彼は本当に音楽が好きなのだろう。
窓の外はすっかり陽が落ちて、暗闇に包まれている。テーブルの上ではキャンドルが焚かれて、間接照明とともに部屋を優しく照らしてくれる。
わたしはその火が揺らめく姿を見つめた。部屋の中に風と波の音が響く。その音に耳を澄ませながらも、どちらからともなく質問を投げかけて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。二人でお互いのことを少しずつ知る作業はぎこちないけれど、どこか心地良い。
「そうだ、綾乃ちゃん」
龍介さんが、ふいにその名前を口にする。彼は、温かい飲み物の入ったマグカップを唇に当てながら、わたしに優しい視線を向けた。
片付けが終わると、龍介さんはソファに深く体を沈めてテレビをつける。海外のアーティストの曲が流れ出して、龍介さんがそれに合わせて微かに口ずさんだ。バルコニーで話しているときに、音楽が好きだと言っていたことを思い出す。
(そういえば、飛行機の中でも龍介さんはイヤホンで何かを聴いていたな)
このレンタルハウスにはピアノもギターも置いてあり、それを弾くこともあるらしい。彼は本当に音楽が好きなのだろう。
窓の外はすっかり陽が落ちて、暗闇に包まれている。テーブルの上ではキャンドルが焚かれて、間接照明とともに部屋を優しく照らしてくれる。
わたしはその火が揺らめく姿を見つめた。部屋の中に風と波の音が響く。その音に耳を澄ませながらも、どちらからともなく質問を投げかけて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。二人でお互いのことを少しずつ知る作業はぎこちないけれど、どこか心地良い。
「そうだ、綾乃ちゃん」
龍介さんが、ふいにその名前を口にする。彼は、温かい飲み物の入ったマグカップを唇に当てながら、わたしに優しい視線を向けた。