シンデレラ・スキャンダル
心ここにあらずの状態のまま、全てを済ませてバスルームから出ると、ソファの上で目を閉じている彼を見つけた。
間接照明は消えて、部屋にはキャンドルの灯りだけ。龍介さんの頬をオレンジ色に照らしている。そっと彼のそばに歩み寄り、ソファの空いている部分に腰を下ろし顔を覗きこめば、規則的な息づかいが聞こえてくる。
「可愛い……」
寝顔はあどけないけれど、龍介さんはどちらかと言えば男性らしい顔立ちをしていると思う。
彫が深くて、あまり丸みを感じない。首の太さも、のどぼとけの大きさも、見れば見るほどに男性を感じる。そして、小麦色の肌と筋肉質な体。血管の浮き出た腕と胸元に覗くタトゥー。
「ん……」
龍介さんの唇から零れた吐息に反応して、自分の体がビクッと揺れた。視線の先には、龍介さんの体に伸ばされていた自分の手。
寝てる人を触ろうとするなんて、わたしは一体なにをしているのだろう。龍介さんといると、なんだか色々おかしい。
触れる直前だった手を握りしめて、小さく息を吐く。その伸ばしていた手の方向を変えて、ソファの背にかかっているブランケットに向かわせる。音を立てないようにしてそれを取ると、彼の体にゆっくりとかけた。
すると、彼の瞼が微かに動いてゆっくりと開き、目の前の光景を確認するように瞳が動いて、最後にわたしを捉える。
間接照明は消えて、部屋にはキャンドルの灯りだけ。龍介さんの頬をオレンジ色に照らしている。そっと彼のそばに歩み寄り、ソファの空いている部分に腰を下ろし顔を覗きこめば、規則的な息づかいが聞こえてくる。
「可愛い……」
寝顔はあどけないけれど、龍介さんはどちらかと言えば男性らしい顔立ちをしていると思う。
彫が深くて、あまり丸みを感じない。首の太さも、のどぼとけの大きさも、見れば見るほどに男性を感じる。そして、小麦色の肌と筋肉質な体。血管の浮き出た腕と胸元に覗くタトゥー。
「ん……」
龍介さんの唇から零れた吐息に反応して、自分の体がビクッと揺れた。視線の先には、龍介さんの体に伸ばされていた自分の手。
寝てる人を触ろうとするなんて、わたしは一体なにをしているのだろう。龍介さんといると、なんだか色々おかしい。
触れる直前だった手を握りしめて、小さく息を吐く。その伸ばしていた手の方向を変えて、ソファの背にかかっているブランケットに向かわせる。音を立てないようにしてそれを取ると、彼の体にゆっくりとかけた。
すると、彼の瞼が微かに動いてゆっくりと開き、目の前の光景を確認するように瞳が動いて、最後にわたしを捉える。