シンデレラ・スキャンダル
「もう! どうして笑うんですか!」

「だって……あは……む、むり」

「わたしまで笑っちゃうじゃないですか」

「できる素振りがない」

「ひどい。絶対に明日、筋肉痛ですよ」

「今ので?」

彼は、腹を抱えてしゃがみ込む寸前だ。

「もう、笑わないでください! こっちは真剣なのに!」

必死で睨みつける。けれど、涙目になってまで笑う彼を見ていると、こちらの頬も勝手に緩んでくる。

「……ふ、ふふ。もう、龍介さんのせいですよ」

結局、わたしの抗議は、彼と同じ笑い声にかき消された。

彼がやっているトレーニングを見様見真似でやってみるも、腕も足もお腹も微かに震えだす。半ば倒れそうになりながら真似ているわたしを横目に笑いながらも、彼は一つ一つのトレーニングをしっかり進めていく。

やはり彼はアスリートのようだ。トレーニングをずっと続けてきたであろう、慣れた様子が見て取れる。

そして、もう少し走ってから戻ると言って、わたしを家に送り届けると、彼は来た道を引き返して再び走り出した。
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