シンデレラ・スキャンダル
「そういえば、わたし、スタッフさんってレンタルハウスのスタッフだと思ってたんですけど、違うんですね」
「ああ、そうだね。なんていうのかな。まあ、高校からの付き合いの奴だから気にしなくていいよ」
「高校生から! 長いお付き合いですね。でも、龍介さんが高校生のときって」
「ん?」
「……不良でした?」
「え」
「ですよね?」
「いや、そんなことないよ。うん……ちょっとだけね。あれだよ、ちょっと……反抗期っていうの?」
「ちょっと?」
ピアスを開けただけだの、髪を染めただけだの彼が少し必死になって訴えている。酔いが回っているからか、いつもより饒舌になっているようだ。必死になっている様子が可愛らしくてクスクス笑っていると、横で違うのにと呟いて項垂れている彼の姿が目に入った。
会計を終えて、龍介さんと自分の手元を交互に見る。わたしは不満だということを顔に出して彼に主張するけれど、彼は優しい笑顔で応えて歩き出す。
荷物を持つために来たはずなのに、龍介さんはボトルが入った袋を全て持って、わたしにはチーズとフルーツが入った小さな小さな袋を渡した。ここでわたしが持つと言っても、きっと龍介さんは「女性に持たせるものじゃない」と言って、絶対に持たせてくれない。
だからわたしは小さな声で「ありがとう」と口にした。
「ああ、そうだね。なんていうのかな。まあ、高校からの付き合いの奴だから気にしなくていいよ」
「高校生から! 長いお付き合いですね。でも、龍介さんが高校生のときって」
「ん?」
「……不良でした?」
「え」
「ですよね?」
「いや、そんなことないよ。うん……ちょっとだけね。あれだよ、ちょっと……反抗期っていうの?」
「ちょっと?」
ピアスを開けただけだの、髪を染めただけだの彼が少し必死になって訴えている。酔いが回っているからか、いつもより饒舌になっているようだ。必死になっている様子が可愛らしくてクスクス笑っていると、横で違うのにと呟いて項垂れている彼の姿が目に入った。
会計を終えて、龍介さんと自分の手元を交互に見る。わたしは不満だということを顔に出して彼に主張するけれど、彼は優しい笑顔で応えて歩き出す。
荷物を持つために来たはずなのに、龍介さんはボトルが入った袋を全て持って、わたしにはチーズとフルーツが入った小さな小さな袋を渡した。ここでわたしが持つと言っても、きっと龍介さんは「女性に持たせるものじゃない」と言って、絶対に持たせてくれない。
だからわたしは小さな声で「ありがとう」と口にした。