シンデレラ・スキャンダル
◇◇◇
ドアをノックする音が響く。龍介さんはいつの間にか起きたようで、姿が見えない。ベッドから起き上がり、自分の体を一度確認すれば、きちんと龍介さんのシャツを着ていた。
目をこすりながら、ガチャリとドアを開ける。
「龍介さ……」
言葉が途中で凍り付いた。目の前に立っていたのは、龍介さんではなく、目を丸くした忍さん。一瞬、時が止まる。視線が合う。わたしの格好は、彼の大きすぎるシャツ一枚。
「……あら」
忍さんの口元が、ニヤリと歪んだ瞬間、全身の血が一気に顔に集まるのが分かった。
(終わった……!)
なにが起こり、どうして忍さんがいるのか。リビングにいると思われるリサの声も聞こえてくる。突然目の前に現れた忍さんの姿に頭が追いつかないままのわたしに、意味有りげな視線が送られる。
「ふうん……私が言ったとおりになったわね」
忍さんが勝ち誇ったように囁いた。無計画ながらも言い訳しようとしたわたしを遮るように、「大人の男女が一緒にいて何も起こらない方がおかしいわよ」と続ける。
「……りゅ、龍介さんは?」
「わたしも探してるわ」
「とりあえず着替えます」
「そのままでもいいじゃない?」
「忍さん……」
ドアをノックする音が響く。龍介さんはいつの間にか起きたようで、姿が見えない。ベッドから起き上がり、自分の体を一度確認すれば、きちんと龍介さんのシャツを着ていた。
目をこすりながら、ガチャリとドアを開ける。
「龍介さ……」
言葉が途中で凍り付いた。目の前に立っていたのは、龍介さんではなく、目を丸くした忍さん。一瞬、時が止まる。視線が合う。わたしの格好は、彼の大きすぎるシャツ一枚。
「……あら」
忍さんの口元が、ニヤリと歪んだ瞬間、全身の血が一気に顔に集まるのが分かった。
(終わった……!)
なにが起こり、どうして忍さんがいるのか。リビングにいると思われるリサの声も聞こえてくる。突然目の前に現れた忍さんの姿に頭が追いつかないままのわたしに、意味有りげな視線が送られる。
「ふうん……私が言ったとおりになったわね」
忍さんが勝ち誇ったように囁いた。無計画ながらも言い訳しようとしたわたしを遮るように、「大人の男女が一緒にいて何も起こらない方がおかしいわよ」と続ける。
「……りゅ、龍介さんは?」
「わたしも探してるわ」
「とりあえず着替えます」
「そのままでもいいじゃない?」
「忍さん……」