気まぐれ王子と召使い
「た、確かにあんまり紹介しない方が良いかも…世那さんの言う通り、せめて付き合ってからの方がいいんじゃないかな…?」
「ゆ、夕香里ちゃんまで……でも、この間''世那のこと紹介する!"って須藤さんに言っちゃったんだよなー」
「はぁ!?お前、馬鹿じゃねーの……」
ギョッとした様子で甲斐君を見つめる世那。
甲斐君が悪意なく、世那が好きでそう言ってるのは分かってるけど、いくら何でも突っ走りすぎじゃないだろうか。
「勝手に話進めてんじゃねーよ、俺は会わないからな」
「ええっ!?世那ならてっきり興味あるかと思って…」
「そりゃ全く無い訳じゃないけど……」
「だろ!?な、教室戻るついでで良いから6組に俺と一緒に顔出してくれよ!夕香里ちゃんも!」
「えぇ……」
私は完全に世那のおまけだと思うけど、甲斐君の満面の笑みを見せられたら流石に断りずらい。
甲斐君の言葉に世那はムッとした顔で「勝手に話進めんなよ、馬鹿頭」と言葉を紡ぐ。
「ま、まぁまぁ…せっかくだし世那さん、ちょっとだけ顔出してみる……?」
「おい、下僕……」
「マジで!?やったー!ずっと紹介したかったんだよ!」
腕を上げて喜ぶ甲斐君とは対照的に、世那の顔は少し曇っていた。