七つの海を渡る愛 ~Love Ocean~
浜辺の出会い
――親子三人でパンと海の幸たっぷりのシチューの夕食を囲んだ後、レイラとキャプテン・ブライスは町の酒場にいた。〈ゴールドバロン海賊団〉で今日、〈ミエール商会〉から没収した隠し財産から各々の分け前を配ることになっているからだ。
「よう、全員集まってるな? では、みなに今日の分け前を分配する。いいな?」
ブライスが配る金貨の入った布袋を、船員たちは「船長、ありがとうございます!」と言って受け取っていく。
そして最後はレイラが取り分を受け取る番になったのだが……。
「レイラ、お前の分は少し多めにしてあるからな」
「えっ? ありがたいけど……。父さん、あたしの分もみんなと一緒でいいよ」
「いや、受け取ってくれ。お前は副船長ってだけじゃなく、今日は実にいい働きぶりだったからな。これはその当然の報酬というわけだ」
「もらっとけよ、レイラ。船長の厚意に甘えとけ。これはお前だけの特権なんだからな」
父だけでなく幼なじみのドリーにまで言われてしまうと、レイラもさすがに断れなくなってしまう。
「二人がそこまで言うんなら……。ありがとう、もらっとくよ」
レイラは二人にお礼を言って、取り分を受け取った。
そして残りの金貨をブライス船長自身が懐に入れ、海賊団の慰労会も兼ねた酒盛りが始まった。
「さあみんな、今日は俺のおごりだ! じゃんじゃん飲んでくれ!」
それからの何時間か、酒場ではラム酒が飛ぶように売れ、酒の肴を盛った皿も飛び交った。
男たちは水のようにラム酒を呷って上機嫌になっていたが、やっと飲酒できる年齢に達したレイラは少し飲むと酔いが回ってしまった。
「……ごめん、ドリー。あたしはちょっと外の風に当たって酔いを醒ましてくるよ。父さん、完全に出来上がっちゃってるから悪いけどウチまで連れてきてくれない?」
「分かった。任せとけ。お前はそのまま家に帰った方がいいな。おふくろさんに心配かけちゃいけねえ」
「うん、ありがと。じゃあ、あたしは先に抜けるよ」
レイラは長い赤髪が風に弄ばれるに任せながら、浜辺まで歩いてきた。冷たい潮風が心地いい。
(……海賊を名乗る以上、酒にも強くならないといけないのは分かってるんだけどな……)
男性と女性では体質が違うのだろうか? レイラの体はなかなか酒を受け付けてくれない。少しでも飲むとすぐに酔ってしまう。そしてそれはすぐに顔に表れてしまうのだ。
しばらく砂浜に腰を下ろし、海を眺めていたレイラは、浜辺に打ち上げられている人影に目を留めた。彼女は視力がよく、夜目が利くのだ。
「大変だ……! 浜に誰かが流されてきてる……」
彼女はすぐに、打ち上げられた人影の元へ駆け寄った。
「よう、全員集まってるな? では、みなに今日の分け前を分配する。いいな?」
ブライスが配る金貨の入った布袋を、船員たちは「船長、ありがとうございます!」と言って受け取っていく。
そして最後はレイラが取り分を受け取る番になったのだが……。
「レイラ、お前の分は少し多めにしてあるからな」
「えっ? ありがたいけど……。父さん、あたしの分もみんなと一緒でいいよ」
「いや、受け取ってくれ。お前は副船長ってだけじゃなく、今日は実にいい働きぶりだったからな。これはその当然の報酬というわけだ」
「もらっとけよ、レイラ。船長の厚意に甘えとけ。これはお前だけの特権なんだからな」
父だけでなく幼なじみのドリーにまで言われてしまうと、レイラもさすがに断れなくなってしまう。
「二人がそこまで言うんなら……。ありがとう、もらっとくよ」
レイラは二人にお礼を言って、取り分を受け取った。
そして残りの金貨をブライス船長自身が懐に入れ、海賊団の慰労会も兼ねた酒盛りが始まった。
「さあみんな、今日は俺のおごりだ! じゃんじゃん飲んでくれ!」
それからの何時間か、酒場ではラム酒が飛ぶように売れ、酒の肴を盛った皿も飛び交った。
男たちは水のようにラム酒を呷って上機嫌になっていたが、やっと飲酒できる年齢に達したレイラは少し飲むと酔いが回ってしまった。
「……ごめん、ドリー。あたしはちょっと外の風に当たって酔いを醒ましてくるよ。父さん、完全に出来上がっちゃってるから悪いけどウチまで連れてきてくれない?」
「分かった。任せとけ。お前はそのまま家に帰った方がいいな。おふくろさんに心配かけちゃいけねえ」
「うん、ありがと。じゃあ、あたしは先に抜けるよ」
レイラは長い赤髪が風に弄ばれるに任せながら、浜辺まで歩いてきた。冷たい潮風が心地いい。
(……海賊を名乗る以上、酒にも強くならないといけないのは分かってるんだけどな……)
男性と女性では体質が違うのだろうか? レイラの体はなかなか酒を受け付けてくれない。少しでも飲むとすぐに酔ってしまう。そしてそれはすぐに顔に表れてしまうのだ。
しばらく砂浜に腰を下ろし、海を眺めていたレイラは、浜辺に打ち上げられている人影に目を留めた。彼女は視力がよく、夜目が利くのだ。
「大変だ……! 浜に誰かが流されてきてる……」
彼女はすぐに、打ち上げられた人影の元へ駆け寄った。