運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 耳に届いた言葉が信じられず、私は息を呑んだ。まさか琴音が、優希くんと一緒にアメリカへ行くつもりだなんて――想像すらしていなかった。
 
 私と会わせなくして、連絡を絶たせ、自分が彼を得ようということか。そんなことまで考えているとは……。私が何かを話せば、琴音にとって都合が悪いのだろう。

「お父様、遅れるわ」
 あまり聞きたくない声がしてそちらに視線を向けると、今までと少し趣の違う、華やかなスーツに身を包んだ琴音の姿があった。どうやら今日は機嫌がいいらしく、私を見やってクスッと笑う。

 ――今日は朝から騒がしい。そう思いながらも、私は無表情のまま琴音たちに視線を戻した。

「それでね、晴香が働くのは今日まででいいの。私が秘書課に異動になったから。あんたの代わりに」
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