運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 ホテルの下のコンビニエンスストアで、食べやすそうなパンを何とか食べ、予約の時間の少し前にホテルを出た。
 こぢんまりとしていたが、明るい印象の産婦人科で安堵する。

「三か月に入ったところですね。順調ですよ」
 優しそうな女性の医師の穏やかな声に、やっぱり。そんな感情が沸き上がった。純粋に優希くんとの子どもを持てることは、これから先一生ひとりで生きていくと思っていた私にとって、うれしい気持ちもあった。

 しかし、それは次の言葉で一気に吹き飛んだ。

「お父さんやご家族は? 初めての妊娠でしょう」

 当たり前の問いだとわかっていたが、家を出てしまい、身を寄せる家族が誰もいないこと。そして何より、この子に〝父親〟が存在しないという事実を突きつけられたようだった。
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