運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 私は、この命をひとりで育てていくことになる。きちんと守ってあげられるのか。病気になったらどうするのか。学校に行く年になったら、自分ひとりで支えきれるのか。考え始めればきりがなく、胸の奥で不安が膨らんでいく。

 それでも――。

「家族も父親もいません。でも……産みたいんです」
 その言葉は驚くほど自然に、自分の奥底からあふれ出てきた。母も祖父母ももういない。実の父にも見放され、居場所を失ってしまった私にとって、この子の存在は唯一無二で、かけがえのないものなのだ。
 頭を下げた私に、先生は「わかりました。頑張りましょう」そう言ってくれた。

 約束より少し早く、ドアをノックする音が響く。立ち上がって開けると、仕事帰りのスーツ姿のままの紗江が立っていた。
「……晴香」
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