運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 優希くんが名前を言わなかったのは、私と気づいていたからなのか、ただ、名乗るタイミングがなかったのかはわからない。
 でも、三年前のあの頃とちがって、今の私はメイクも薄く、髪型も違う。彼が気づいていないのなら、このまま何も知らない方が彼のため……。

 そう思う反面、自分の娘を抱いているのに真実を知らなくていいのか、そんな葛藤がせめぎあう。
「失礼ですが、お名前は?」

 ぐるぐると考えを巡らせていたそのとき、不意にそう問われて、私は一瞬ビクリと肩を揺らした。

「あっ、佐々木です。娘は結菜といいます」
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