運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 別に両親と仲が悪いわけでもないし、祖父とも問題があるわけではない。ただ、巨大な朝倉グループを率いることに将来もっとも近い俺。そのように小さいころから育てられてきたし、結婚もそれなりの女性とすること、と幼いころから言われて育ってきた。

 祖父が絶対的な権力を持ち、父はそれを忠実に実行するタイプで、もちろん親としての愛情がないわけではないが、経営者としての父を見ることの方が多かった。
 よくもわるくも、世間体や、立場に重きを置く人たちに、晴香のような女性を保護していると知られれば、どんなことになるかわからない。

 高校時代から知っているとはいえ、晴香から家のことを聞いたことはなく、なんとなく、今の晴香はすべてから隠さなければ――。そんなことを思わせる儚さをまと纏っていた。
 あとは――。結菜ちゃんのことは沙織に任せるとして、晴香にも必要なものがあるだろう、そう思っていると、すぐに沙織からメッセージが入る。

【女性に必要なものあなたじゃわからないでしょう。外商に私が手配しておく。二時間後には結菜ちゃんを迎えに行くわ】
 さすが元敏腕秘書、そう思わずにはいられない姉に感謝しつつ、少しだけ目を閉じて呼吸を整えてから晴香のもとへと向かった。
  
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