運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 隠れるように生きてきて、近くの公園しか行ったことがない。児童館や、おもちゃがたくさんある場所にもほとんど行けなかった。
 本来なら、こうして好きなことを思いきり楽しめるはずなのに……。
 でも、彼にいろいろしてもらうのは違う。そんな自分が情けなくて、また思考がぐるぐると頭の中を回る。

「晴香、どうした?」
 そんな私に、優しく穏やかな声が届いた。
「どうして……どうして、そこまで?」
 思わずそう尋ねてしまい、我に返る。私は彼に、何と答えてほしかったのだろう。――一夜をともにしたし、知り合いなんだから当然だ。
 そんな言葉を、私は聞きたいわけじゃない。そう思った、そのときだった。

「それは、晴香だからだよ。俺は今の晴香を守りたい」
 ――今の?
 何も自分のことを話さず、勝手に姿を消したのに。それなのに、あなたはまた、私を助けようとしてくれるの……?
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