運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 あの日から、優希くんと結菜との三人の生活が始まった。沙織さんも遊びに来てくれることで、結菜にも遊び相手がいて、夢のような時間が続いている。みやこさんも、最初ほどではないが来てくれて、結菜の面倒を見てくれたり、料理を一緒に作ってくれたりと至れり尽くせりだ。

今日、最後の通院を終え、すっかりと怪我はよくなった。穏やかな環境になったせいか、体調も前よりすごくよく、本当にありがたい。しかし、その反面、優希くんとの距離がわからなくなっているのも事実だ。
 午後一時。結菜はお昼ご飯を食べ、コテンと眠ってしまい、私はキッチンへと向かった。宣言通り、もちろん取引先との会議などもあり出社する日もあるが、家で仕事をしていることも多い彼。そういう日は、決まって朝も昼も夜も、一緒に食事をしにリビングにやってくる。

 さっきも、結菜のリクエストでオムライスというお子様メニューをおいしそうに食べてから、仕事に戻った。
 ゆっくりと最近覚えた彼の好みの濃さのコーヒーを落とすと、キッチンに芳醇な香りが広がった。それを彼のカップに入れてお盆に載せる。

 これも仕事――そう言い聞かせる。ずっと思っていた人がそばにいるということは、少し油断をすればすぐに過去に気持ちが引きずられてしまいそうになる。
 そんな気持ちは隠さなければ。そう思いながら、彼の書斎のドアをノックした。
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