運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「いいか、この件はお前が自由を得るために、どうしても成功させなければならないプロジェクトだろう? 会長との約束は〝完璧な立ち上げ〟だ。そのためのミッドセストは駒だったはずだ。それを、どこの誰かもわからないひとりの女に任せるなんて……正気か?」

 一気に言い放つと、千田はバンと俺の机を叩いた。

 その言い分はもっともで、俺は「彼女は信じられる」と伝えようとした、そのときだった。

千田にお茶を持ってきたのだろう、晴香が立ちすくんでいるのが見えた。今のやり取りも聞こえていたに違いない。

「あの、お茶を」
 そう言い、俯きながら晴香はローテーブルに湯呑を置いた。ここまで聞かれたら、もう隠しようがない。

「今の、聞こえていたな?」
 静かに、だが〝俺は信用している〟と伝わるように冷静に問いかけると、晴香は目を合わせぬまま、腹の前で組んだ手にぎゅっと力を込めたのがわかった。

「はい」
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