運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「会ったことはある。俺が好きだった人だ。でも……いろいろと事情があるらしい」
 自分の口で言葉にすると、一気に現実味が増した気がした。俺はやはり晴香が好きで、彼女のことを忘れられない。だからこそ、ここまでしてでもつなぎとめているのだ。

 そのあと、晴香は資料を手にして戻ってきた。
「これをご覧いただけますか?」
 そう言われ、渡された資料を見て、俺は息を呑んだ。それはミッドセストと、コート・ジュポンについての分析資料だった。細かく手書きのメモもびっしりと書かれていて、かなりの時間と労力を使ったものだとわかった。

「これは誰が?」
 答えはわかっていた気がしたが、俺がそう尋ねると、晴香は少し言葉を選ぶようにして答える。
「以前ワカバフーズに在籍していた時、料理の監修を含め、両社からの業務提携の話が持ち上がったことがあるんです。私はそのときから、ミッドセストはやめるべき、そう進言しましたが、通らなかったのです」
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