運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 この内容を見る限り、彼女はかなり事業戦略に関わるような中心部で働いていたことがわかかる。
 そんな優秀な彼女がどうして、すべてを捨てて逃げ出さなければいけなかったのか。余程の理由があるとしか思えない。

「そうでしたか」
 色々なことを考えていた俺に、千田の声が聞こえて我に返る。これを全面的に信用していいのか、そんな含みを持った視線を俺に向けている。

 けれど、やはり俺はどうしても晴香を信じたい。過去の駆け落ちのことも、俺の仕事に対しても、なにか騙したりするような人間ではない。

「千田、すぐに手配をしてくれ」
 そう静かに口にすると、千田はため息のあと、「はい」とだけ答えた。そんな俺たちを見ている晴香の瞳は、やはり真剣そのもので、彼女を疑うことなどできない。


俺は彼女を守りたいーー。


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