運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 優希くんにとって、私は――約束を破り、他の男と駆け落ちした女。その認識のままで、これほどまでに守ってくれていたのか。
 その事実に耐えきれず、ひと筋の涙が頬を伝った。

「ごめんなさい……」
 何に対しての謝罪なのか、自分でもわからない。
 あの日、約束を守れなかったこと。勝手に結菜を産み、彼の子に重荷を背負わせていること。そして、すべては私があの日、優希くんの会社に現れたことで始まってしまったこと――。

「晴香、謝らなくていい。俺も騙されたんだ。もっと晴香を信じて、会うまで諦めるべきじゃなかった」
 そんなことを言ってくれる優希くんに、私はハンカチを出して涙をぬぐいつつ、口を開いた。

「私のこと、信じてくれるの?」
「もちろん。再会して少し経ったころから、ずっと〝あれは間違いだった〟って確信してた。晴香は、俺が好きになった晴香のままだって」
 ――好き。
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