運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 サラッとその言葉が聞こえた気がした。でも、それは〝人として〟という意味なのかもしれない。

 どういうことか聞きたいような、でも聞きたくないような、そんな気持ちでいると――ベビーカーの中から、結菜の泣き声が響いた。
 狭さが原因だったのか、目を覚ました結菜がぐずり出したのだ。

「結菜ちゃん、どうした? 狭かったか?」
 優希くんが結菜を抱き上げると、ほどなく機嫌が直り、窓の外を指さして「おそと、行こう」と声を弾ませた。

「わかった」
 結菜にそう答えながらベビーカーへと戻すと、優希くんは私を促した。

 かつては――身体を重ね合い、お互いの存在を確かめ合っていた。あのころは、何のためらいもなく手をつなぐことができたのに。

今はなぜか恥ずかしさが先に立ち、手を伸ばせずにいるそんな私の手を、優希くんはためらいなく少し強引に握りしめた。
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