運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 優希くんの家を目にした瞬間、ただ驚くしかなかった。これが〝世界の朝倉〟なのだと、改めて思い知らされる。白亜の高い壁に囲まれ、緑濃い木々が生い茂り、肝心の邸宅は影も形も見えない。大きな門が低い音を立てて自動で開いていく様を見つめながら、さっきまでの決意が消えないようにと、キュッと気合を入れる。


 数分ほど車を走らせると、ようやく姿を現したのは、歴史と風格をたたえる立派な洋館だった。その佇まいはまるで城のようで、威圧感と気品を兼ね備えている。

 ホテルのエントランスを思わせる玄関前に車が停まると、すぐに先ほどの男性と、もうひとり制服姿の従者が歩み寄ってきた。
「鍵を」
 先ほどの男性が短く告げ、優希くんは後部に控えていた制服姿の男に鍵を手渡す。

「小松さん、父も一緒ですか?」
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