運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 今にも掴みかかってきそうな琴音に、私はあえて微笑を浮かべてみせた。

「そうよね。私があの家から逃げ出して、父よりも先に行動して、私を消そうとしていたものね」
「何のこと? あんたは勝手に家を出ていったんでしょ。もう他人じゃない、そんなことをする必要なんてないわ」
 あのひき逃げも、結局犯人は捕まらず、用意周到に仕組まれたとしか思えない事件だった。確かに私は彼女たちに虐げられてきたけれど、それを証明する術はない。だからこそ、ここで一度、最後の賭けに出ると決めた。

「あら、じゃああの事故は琴音たちがしたことじゃなかったのね。だったら、私は他の誰かに感謝すべきね」
 わざとクスッと笑ってみせると、琴音の顔が見る間に歪んだ。

「どういう意味よ?」
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