運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 やっぱり、そんなことだと思った。琴音にとって、私は家政婦以下の存在でしかない。もし行かなければ、母の大切な品が壊されるかもしれない。琴音は私に言うことを聞かせるのに、母の遺品を壊すことが有効だと気づいている。父の仕事のこともあるし、今日は残業確定だと思っていたが、この頼みを断ることはできなかった。

 終わったあとで家で作業をすればいい。そう思い、小さく息を吐く。

 ――行けばいいんでしょう。

 心の中でそう呟いた。行かなければ、また母の形見を壊したり、嫌がらせを仕掛けたりしてくるに違いない。どうしても祖父母や母の思い出だけは守り抜きたかった。

 その日の仕事は、やはりまったく終わらなかったが、行かなければいけない。私はパタンとパソコンを閉じ、深く息をついた。時計はすでに十九時を回っている。
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