運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 かろうじて声を絞り出すと、男は鼻で笑うように小さく息を吐いた。

「俺たちは別に、金がもらえればいいんだよ。あんたが約束してくれれば、それでいいんだとさ」
「……何を?」
 ここで弱みを見せれば終わる。泣いたり、声を荒げたりなんて絶対にしない。私は必死にそう自分に言い聞かせ、男たちを強く見据えた。

「いいね、その目。少しだけサービスで教えてやるよ。――お嬢様とお母様は、どうしてもあんたが邪魔なんだってさ。穏便に家を出て行って欲しいけど、お父様とやらが許さないらしい」

 クスクスと笑う声が、どこか遠くから響いているように聞こえた。それでも私は理解した。どれほど虐げられても、私が母や祖母の思い出を守るためにあの家に居続ける。それにとうとう、しびれを切らしたということなのだろう。

「怖いことをされたくなければ、いい加減に諦めろ――だってさ。だから……」
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