運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 自分でも驚くほどの量のアルコールを次々と口にしていた。それでも顔に赤みひとつ浮かばず、平然としていたらしい。
「酒、強いんだな」
 目を丸くした優希くんのひと言に、思わず笑ってしまう。

 少しだけ心がほどけ、開放的な気持ちになった私は、昔のことをとりとめなく語っていた。
 初めて出会ったときに転んだこと。図書館で過ごした小さな時間。今思えば他愛もない記憶ばかり。
 そんな私にも、優希くんは「そんなこともあったな」と懐かしそうに笑い、耳を傾けてくれていた。

 ふと時計を見ようとして、さっき抵抗したときに落としてしまったことを思い出す。小さく息を吐いたが、かなりの時間が過ぎていることだけは確かだった。
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